ご挨拶
ご挨拶
D&I社会の実現を目指して
お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所(IGI)を拠点とする「D&I社会実現のための学び方・働き方に関する実証研究」は、内閣府による「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」第3期の課題「ポストコロナ時代の学び方・働き方を実現するプラットフォームの構築」の一翼を担う研究開発です。SIPは規模の大きなプロジェクトで、本学の実証研究を含めて13の研究開発が実施され、10を超える数の研究機関や企業が参加しています。このような大規模なプロジェクトに採択されたことを大変光栄に受け止めると同時に、その意義の大きさも感じております。
お茶の水女子大学には、女性のための高等教育および女性学やジェンダー学に取り組んできた長い歴史とその成果の蓄積があります。この研究開発の拠点となっているジェンダード・イノベーション研究所は、その歴史と蓄積の延長上の新たな取り組みとして、2022年4月に開設されました。研究所では、性差の視点に基づいた研究、イノベーション、社会発信による、多様な幸せ(well-being)の実現を目指しています。この点は、まさに、本SIP課題が目指す、「Society 5.0を生きる一人ひとりが、多様な幸せ(well-being)を実現できるフラットな社会を達成する」と一致しており、本課題への参加は、研究所のミッションに重なります。
本学における研究としては、サブ課題B「『新たな“学び”』と働き方との接続」の下で、2つの実証研究、「高校生を対象とした進路選択に関する大規模調査」と「知・経験のD&I実現のための家事支援」を実施します。この研究開発にあたっては、3つの目的を掲げています。
- Society 5.0の実現に資する学び方と働き方について、2つの実証研究成果をもとに変革を促す
- ジェンダード・イノベーションの視点(性差、ジェンダー差、インターセクショナリティ)を考慮した実証研究を行う
- 実証研究から得られた結果をもとに、政策や実践を通してD&I社会実現に貢献する
D&Iは本SIP課題が実現を目指す社会の基盤を形成するという認識から、本学での研究開発の成果を他の研究開発に反映させたいという期待もお寄せいただいています。本SIP課題の関係者の皆様と手を携えて、D&I社会の実現を目指して歩む所存です。
2023年10月1日
研究開発責任者 石井クンツ昌子
お茶の水女子大学 理事・副学長/ジェンダード・イノベーション研究所長